海外で暮らす子どもの日本語強化術 その②
「海外に暮らす子どもの日本語力を育てる」シリーズ、第2回目です。
先日の記事で、息子の日本語力強化のため、我が家が実践している以下5つの試みをご紹介しました。
- 日本から絵本を持ち込み、読み聞かせを日課に。
- 日本語の動画サービスを利用。
- 日本の月刊幼児教材を利用。
- 「母親(私)との会話は日本語」を徹底。
- 年一度は日本へ帰国。2ヶ月など長期滞在する。
今日のテーマは、2つ目の「日本語の動画サービスを利用」です。
動画で「話しことば」を学ぶ
前回は、絵本が息子の日本語力強化に大いに役立っていることについて書きました。我が家では、絵本の読み聞かせを息子の日本語教育の核に位置付けています。
ただ、絵本だけでは「話しことばが身につかない」という問題が…。
絵本を通して語彙力がついていることは喜ばしいのですが、4歳児に似つかわしくない”書きことば”でしゃべることも多いんですよね…(苦笑)。「今日は素晴らしい陽気だね!」とか、「二度とあんなところへは行くものか!」とか…。
全然間違っていないけど…可愛いけど…、、、ちょっと不自然やで!!っていうね…。日本語って、口語と文語のギャップが大きな言語なんですよね。
なので、ナチュラルな話しことばを習得できるよう、我が家では動画も活用しています。
Eテレの幼児向け番組が海外からでも観られる!
ヘビーユースしているのが、以下のNHKのサイトです。アプリもあり。
「NHK for School」は、学校向けコンテンツですが、「NHKキッズ」は低年齢(幼児〜小学校低学年)向け。「おかあさんといっしょ」「ピタゴラスイッチ」「おはなしのくに」等々、質の高いEテレ番組が海外からでも見られるのが、本当に嬉しい。親の私が見ていても面白いです。
動画配信サブスクも
我が家はNETFLIXも利用しています。NETFLIXは、各国で配信されている番組が異なり、海外で見られる日本語番組は限られているのですが、VPNを使えば日本で配信中の番組も視聴できるようになります。(アニメであれば、「ちびまる子ちゃん」「クレヨンしんちゃん」「名探偵コナン」など。)VPN自体は、会社やプランにもよりますが、月€3ほどで利用可能なものも多くお手頃です。
ただ、NETFLIXはもう解約しようかなと検討中。理由は、息子がひたすら同じ作品しか観ないから。子どもって、お気に入りの作品を何度でも繰り返し観たがりませんか?それならもうDVDを買う方が安いかなと。私も夫もあまり利用していないしね…。
あと、NETFLIXの番組は全体的に、教育要素より娯楽要素が強め。日本語番組であるということに加え、教育的な質の高さを求めている方には、さほどおすすめしません。(決して悪影響だとは思いませんが、知育要素の強い番組はあまりないかな。個人的には、子どもが娯楽番組を入り口にして日本語に興味を持つというのは、結構なことだと考えていますが。)
動画サブスクについては、Amazon PrimeやU-NEXT等、海外からでも利用できるものが色々とあるので、ご家庭に合うものを選ばれると良いと思います。
いい時代になったもんだ
私は子ども時代の数年間を東南アジアのとある国で過ごしたのですが、その頃はもちろんネットなどなく、日本語の番組は望んでも視聴する術がありませんでした。時々叔母がテレビ番組を録画したビデオテープを日本から送ってくれるのが楽しみで、擦り切れるほど観たのを覚えています。日本人コミュニティで、貸し借りもしたなぁ。
今は低額(あるいは無料)で日本語コンテンツにアクセスできる、良い時代になりましたね。日本のアニメはやっぱり面白いし、「これを観たい!」というのがモチベーションになって、日本語学習意欲に火がつくというのもあると思う。子どもって、そこに必要性があれば、どんどん新しい言語を習得していくので。
低コストで手に入る動画コンテンツもフル活用しながら、日本語教育頑張っていきましょう!