ドイツで驚いた色のジェンダー
先日、息子の自転車買い替えのため、自転車屋へ行ってきました。中古自転車も扱うお店です。
自転車くらい新品を買ってやりたいところですが、ドイツは自転車がめちゃめちゃ高価。新品は子ども用でも400ユーロ(=58,000円)からといったところです。成長に合わせて買い替えなければならないものだし、もう中古でええわと。とはいえ中古でも200ユーロくらいするんですけどね…。
現在、自転車市場は品不足だということで、まず品数自体がものすごく少なかった。でも息子にピッタリサイズの紫色の中古自転車を奇跡的に発見!値段も180ユーロとまぁお手頃でした。「これええやん」と私は興味深く見ていたのですが、店主が一言。
「でも紫色は女の子の色だもんねぇ」
これを聞いた息子は「じゃあそれはヤダ」と言い出し、その隣に置いてあった緑色の新品400ユーロを希望!
いやいやオッサン、息子の前で何を言うてくれよるねん(汗汗汗)。。紫めっちゃええ色やん!男の子が乗ったって全然おかしくないやん!!(うちは自転車に400ユーロも出されへんねんでーーーっ!!!)
私もこの時まで知らなかったのですが、ドイツでは紫・水色・ピンクなどが女の子の色で、緑・赤などが男の子の色らしいのです。
日本育ちの私にとって、紫色はどちらかといえば男の子向けの色といったイメージなので、不思議な感じがする。どんな色に男性らしさ・女性らしさを感じるかって、文化圏によって異なるんですね。それってつまり、こうした感覚は先天的に備わっているものではなくて、後天的に植え付けられたものだということだよね、やっぱり。
ドイツって、性別で役割を分担するようなことはヒステリックなまでに嫌う傾向があるのに、こと色に関してはどういうわけか男女別で厳しい縛りがあるように思います。大人であっても男性がピンクのセーターなどを着ているとちょっと奇異な目で見られたり。日本ならピンクを着こなせる男性ってオシャレ認定されますけどね。
「息子本人も今は気にしないかもしれないけど、学校へ行くようになれば、からかわれたりもするから」というドイツ人夫の考えもあり、結局紫色の自転車は買えず。てかドイツ人、普段は誰に何を思われようが全く気にしないのに、一体どうしちゃったの!?(^^;)
自転車を安く購入できなかったこともガッカリですが、今回息子に「紫は男の子が選んではいけない色」という謎の価値観を植え付けてしまったことが残念です。
息子が好きな色は赤とピンクと白で、今はピンクのシャツなども喜んで着ています。でもそのうち嫌がるようになるのかなぁ。既にドイツ人の義母からは、「こんな色を男の子に着せるものではない、もっと男の子らしい色を着せなさい」などと忠告を受けますし…。
性別関係なく、好きな色を自由に選べる世の中であってほしいです。