ドイツ在住 マルカの部屋

時にしょっぱい海外生活を楽しく乗り切るブログ

私が住みにくいドイツで暮らし続ける理由

私は、自分の居住国であるドイツという国を、正直さほど気に入ってはいません。

 

その理由は、社会があまりにもカオスで住みにくいから。多くの日本人はドイツという国に、「真面目」「勤勉」「日本に近いところがある」というイメージを持っていると思います。しかし実際に住んでみると気づくのですが、ドイツ社会というのは意外とガサツでいい加減で無秩序だったりします…。

 

おまけに食べ物は不味いし、売られている物の品質は低いし、退屈だし、日本と比べれば治安も悪い。自己主張ばかりで他人の都合や気持ちにはお構いなしな人々と付き合っていくのにも疲れます。(ディスりすぎ…?汗)

 

しかし、私が日本へ帰らずドイツで暮らし続けている理由、それもまた、「社会がカオスで住みにくいから」なのです。もう少し踏み込んで言うと、「我が子をカオスの中で育てたい」。私は、子育ての場としてドイツに一定の魅力を感じているわけです。

 

ドイツに暮らし始めて6年になりますが、日々落ち込むのは「私ってなんて生きる力がないのだろう」ということです。この国で不便に遭遇するたびに、苛立ったり落胆してしまう。時間や約束を守らない人たちにいちいちショックを受けてしまう。日本という全てが滞りなく進んでいく社会で生まれ育ったので、こうしたストレスに対する耐性が全くないのです。

 

皆が礼儀正しく、丁寧で、約束が守られ、整備され尽くした舞台でないと力を発揮できないーーこれが自分の最大の弱みだと言うことに、ドイツへ移住して気づきました。いやぁ、これって現代社会を生き抜くには致命的な弱さだと思いますよ…。

 

だから我が子は敢えて、不便で、退屈で、無秩序で、我が強い人たちだらけの海で泳がせたい。逞しさと強か(したたか)さを身につけてほしいのです。

 

ドイツなんて、世界の中ではトップレベルで整備された国の一つに数えられるのだと思う。そんなドイツですら「カオス」だと感じてしまう私…一体どれだけ日本に甘やかされてきたのでしょう。

 

日本は最高に住みやすい国だし、私一人ならとっとと帰国しているところです。私はもうオバちゃんなのだから、生まれ育ったぬるま湯に一生浸かって生きていくのもええやんか。。が、未来を生き抜いていく子どもはそれではダメだ。

 

そんなわけで、「日本の至れり尽くせりな環境に、我が子が甘えてしまう危機感」というのが、私がドイツに住み続ける動機なのでした。息子が18歳になり成人したら、私は一人で甘やかされに帰るつもり…。